高校3年の12月、就職先が決まってない

ママ友の何気ない言葉にグサリ

学年通信によれば、明日は保護者会のはずですが、プリントが見当たりません。マルコは、帰宅するとすぐに配布物を出すので、私が紛失したのだと思います。探すのも面倒なので、同級生のママにLINEで聞くことにしました。同級生ママは、丁寧に写メまで添付して返事をくれました。そのついでに、「マルちゃん、就職先決まった?」と聞かれます。まだ決まっていません。

10月にマルコが実習に行った企業は、新型コロナウイルスの感染防止対策で保護者の見学や面接等が一切ありませんでした。通常は、実習が終わると、四者(企業の担当者、子ども、進路担当の先生、保護者)で反省会があり評価票が渡されるのですが、今回は反省会にも保護者は参加できませんでした。実習が終わって1ヵ月以上経ちますが、学校からはまだなんの連絡も来ません。おそらくご縁がなかったのだろうと半ば諦めてはいますが、卒業まであと3か月に迫り、卒業後の進路をどうするか真剣に考えなくてはいけない時期です。

「まだ決まっていないよ。」と返信すると、「遅いね。心配だね。年内に決まるといいね。」と励ましのLINEが届きました。同級生は9月の時点で、すでに就労先が決まっています。悪気がないのはわかっていますが、遅いねの一言にグサッときます。ふと、マルコはどう感じているのだろうと思いました。最近、「今日は学校お休みしようかな。」とか、「疲れた。」という事が多かったのを思い出します。「お休みしちゃう?ママと一緒に美味しいランチしようか。」と聞くと、真面目な顔をして「ううん。やっぱり学校行く。」と言うので、あまり重く受け止めていなかったのですが、もしかしたら一人で不安を抱えていたのかもしれません。

子どもはひとりで不安を抱えていた

翌朝、「同じクラスに就労先が決まってる子はいるの?」と聞いてみました。「うん。決まってる。みんな履歴書を書き終わってる。面接が終わった人もいるよ。」とチラリとこちらを見ます。学校では他生徒への配慮から、就職先が決まっても口外することは禁止されているので、基本的に他の子の進行状況はわかりませんが、噂話や作業状況でなんとなくわかるようです。「そうか。先に進んでいる子を見ると不安になるよね。」と言うと、じわっとそばに寄ってきます。「でもさ。就職は人と比べるものじゃないから、焦らないで自分にあった仕事を探せば良いと思うよ。」言いながらそっと顔を見ると不安そうな表情でこっちを見つめています。「もし卒業するまでに決まらなくても、ハローワークに通って探せば良いんだし、区の障害者向けの就労支援コースがあるから、そこでPCの勉強をしながら仕事を探す方法もあるよ。慌てて自分に合わない会社に就職するより、じっくり探す方が良いんじゃないかな。」と言うと、やっとホッとした顔でうなずきました。やっぱり一人で不安を抱えていたのです。急に元気になって「ゆっくり探しますって、今日先生に話してこようかな。」と言うので、「わざわざ自分から先生には言わなくても良いけど、パパとママは焦らなくて良いと思っているから、マルコも安心してね。」と伝えました。ずっと一人で悩んでいたのかと思うと切なくて、いつもながら、マルコの気持ちに気づかなかったことが申し訳ないです。

実際、卒業までに就職先が決まらなかった場合どうするかはこれから考えます。まずは、今日の保護者会で先生に進捗状況を聞いてみようと思います。

2020.12.4