マルコに置いて行かれる 2020.12.01

私は、いつも遅刻ギリギリの生活です。どんなに早起きしても、家を出る時間はギリギリになります。夜寝る前に、明日こそは10分早く家を出ようと誓いますが、結局毎日同じ事を繰り返しています。

ところが、今年の夏、この遅刻癖が改善されるのではないかと期待できる出来事がありました。新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、高校の登校時間が1時間遅くなったため、マルコと同じ時間に家を出る事になったのです。

『ママ、駅まで一緒に行こう!』と喜ぶマルコ。明日は7時50分に家を出ようねと約束してベッドに入りました。

翌朝、マルコは出発時間の10分前にはキッチリ支度を終え、ソファーに座って私を待っていました。マルコは、四則計算が苦手なくせに、常に10分前行動することができ、決して遅刻する事がありません。

そして、その前をバタバタと走り回るわたし。結局、出発時間は約束より15分も遅れ、駅までの楽しいはずの時間は過酷なダッシュに変わりました。駅に着いた時には、2人とも汗だくでした。

次の日から、マルコは自分の支度を終えると、私の手伝いをしてくれるようになりました。忘れ物をしないよう、テーブルに私のスマホ、ハンカチ、マスク、鍵を並べ、同時に、タイムキーパーとして『7時35分です』『7時40分です』と5分ごとに時間を告げてくれます。間に合わないとわかると、戸締りや電気消しも進んで担当してくれました。末っ子で甘えん坊のマルコが、私のフォローしてくれるなんて、いつの間にこんなに成長したんだろうと感動してしまいました。

マルコの目覚ましい成長と、私のモタモタによる駅までのダッシュは一向に改善することなく4ヶ月も続きました。そして、ある日突然終わりを告げました。理由を聞くと、さすがに嫌になったらしいです(よく4ヶ月我慢してくれたものです)。

『明日からは時間になったら1人で行くね』という宣言通り、マルコはキッチリ7時50分になると先に家を出るようになりました。

取り残されて走り回る自分の姿がとても虚しい今日この頃です。